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こころの健康シリーズZ 21世紀のメンタルへルス

No.1 高齢者のグループリビングを推進するCOCO湘南の歩み

NPO法人COCO湘南 理事長  西條節子


COCO湘南が産み出した共生の基本理念

 中国の魯迅の言葉に『道は、はじめから出来ているものではなく、皆で歩いてつくられるもの』という言葉がある。私たちも皆で話し合ってCOCO湘南の基本理念を作った。

(1)自立と共生の高齢者住宅=触れ合うあたらしいコミュニティ
(2)共同運営とその人や状況(身体・年齢)に沿った分担
(3)地域の人となって生き、地域のコミュニティに役立ちたい
(4)健康に暮らすための介護予防と地域医療機関との上手なネットワーク
(5)元気印の発信基地として新しい暮らしの実践を楽しむ

 「自立」というのは、自分の事を自分でするということではなく、自分にとって尊厳のある暮らしを、最後の終わりまで主体的に決定するということ。つまり、「自己決定」を尊重するという意味だ。また私たちのいう「共生」とは、看護したり、干渉したりすることではない。例えばAさんとBさんがけんかをしても口出しはしない。口出しすることは個人の尊厳を損なうと思う。つまりプライバシーには干渉しない、成熟した大人の関係だ。(3)、(4)の地域で健康に暮らし、地域の役に立つこととは、地域の人となり、地域の自治会に加盟し、地域の祭りや清掃などの活動に参加することだ。私たちはNPO法人COCO湘南が運営するリビングを利用し、年二回、一流の演奏者によるコンサートを開催している。地域住民の身近な場所で、500円という料金で一流の演奏家のコンサートを堪能し、コンサートの後はビンゴゲームなどをして楽しんでいる。こうしたイベントは地域の交流の一環と考え、17年間続けている。

NPO法人COCO湘南の体制(組織図)
NPO法人COCO湘南は以下のような体制で動いている

図

 しかし一方で、17年という年月で、入居者の年齢差も広がり、価値観の相違なども出てきている。それを調整しお互いに理解するために、自由参加だがおしゃべりをするためのお茶会を始めた。約20歳の年齢差を超え、お互いに溶け込もうと努力し、楽しい雰囲気を作ってくれている。そして平日の10時〜17時までは、ライフサポーターが入居者の「自立と共生」を静かに支えている。また、NPO法人COCO湘南の理事が相談役となり、暮らしを助言し、必要なことは理事会にフィードバックして改善を図るようにしている。

4.グループリビングの全国普及/‘終わり’の前にも一寸…自己決定/終わりに

1.‘はじめに’の前に一寸…街の中で暮らす場/はじめに/NPO法人COCO湘南のスタート(研究会の立ち上げ3年)
2.既成の箱物はいや!土台をしっかりと!研究会の歩み/安心ネットワーク(医療・看護・介護)
3.COCO湘南が産み出した共生の基本理念
4.グループリビングの全国普及/‘終わり’の前にも一寸…自己決定/終わりに

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