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浴風会病院精神科診療部長 須貝 佑一 4.アミロイドカスケード(滝流れ)仮説アルツハイマー病は物忘れで始まりゆっくりとした経過をとりながら日時、場所などの見当識障害、その他の知的障害全般へと進み、やがて日常生活動作にも支障が出て知的機能の崩壊状態に至る脳の変性疾患です。アルツハイマー病は高齢になればなるほど増える病気ですから今後とも増え続けるのはアルツハイマー病といえます。いまや「老年痴呆」の代名詞となりつつあります。脳内には、βアミロイドタンパクからなる老人斑というシミ上の物質が出現することと変性した神経繊維の束である神経原繊維変化がみられることが特徴です。これらが脳全般に多数蓄積することで正常な神経細胞を変性脱落させて脳萎縮を進行させるのです。
一方、脳血管性痴呆とは脳の血管病変、おもに脳梗塞による神経細胞や神経繊維の障害による痴呆の総称です。脳卒中後遺症で生じる痴呆と考えると理解しやすいと思います。この他にも脳内の血腫、糖尿病低血糖、低酸素症で生じる痴呆など数え切れません。先に触れたレビー小体型痴呆はアルツハイマー病についで多い病気だとも言われ始めています。これだけのものを「老年痴呆」として一括してしまうと治る痴呆も見逃してしまいます。「老年痴呆」を起こしている疾患は何かがきちんと捉えられていなければ治療はおぼつかないのですが、痴呆診断のできる施設はまだ限られています。
1.家族の思い |
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