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No.6 地方公務員のメンタルヘルス

梅垣医院梅垣和彦
イラスト 土佐佳苗


地方公務員のメンタルヘルス状況

1)地方公務員をとりまく環境の変化
近年わが国の社会状況は急激に変化しており、それと同時に公務制度改革や行財政改革、市町村合併といった地方公共団体をとりまく環境も変化しており、また、地方公務員に求められる資質や責任の度合いの高まりによって、地方公務員のメンタルヘルス状況がより深刻化しているといえます。このような職場環境での職員の健康問題への影響について、ひとつの指標として精神障害による長期病休者数の増加傾向があります。

2)地方公務員の長期病休者数
地方公務員安全衛生推進協会が毎年実施している「地方公務員健康状況等調査」によると、平成18年度の長期病休者(30日以上又は1ヵ月以上のもの)について、疾病分類別長期病休者率では「精神及び行動の障害」が最も高く、964.6(10万人率)となっています(図-1)。次いで、「新生物」303.1、「循環器」と「消化器」疾患と続きます。長期に療養のために休業している職員のうちで、精神疾患によるものが他の疾患によるものを大きく引き離しているのがわかります。

3)職員10万人あたりの精神疾患による長期病休者率の年次推移
やはり同じ調査で、職員10万人あたりの主な疾病分類別長期病休者率の推移をみますと、「精神及び行動の障害」によるものが、14年度510.3、15年度591.6、16年度702.4、17年度798.0、18年度964.6と年度ごとに増加しております。(図-1)他の疾患による長期病休者率も同様に増加傾向を示しておりますが、精神及び行動の障害ほど大きくはありません。

4)職員10万人の自殺による死亡率
職場のメンタルヘルス状況をしめす指標のうちで、精神障害による長期病休者数と共に取り上げられるのは自殺の問題です。地方公共団体で18年度の自殺による死亡率は対10万人率で19.9であり、年次推移をみると、14年度が15.0、15年度が17.5、16年度が18.0、17年度が18.2であり、(図-2)、やや増加傾向にあるといえます。
それでは、これらのメンタルヘルスに関する問題状況で、どの様な対策が進められているかについて、地方公務員安全衛生協会によるメンタルヘルス対策研究会報告書から述べてみます。

地方公務員のメンタルヘルス対策状況

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