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認定NPO法人大阪犯罪被害者支援アドボカシーセンター専門支援員 再犯防止の取り組み−被害者理解の視点から加害者の3割は再犯者によるものであるが、「件数構成比」でみると、再犯者による犯歴の件数が6割となっており、換言すると、約3割の再犯者によって、約6割の犯罪が行われているという現状がある。これらの状況に対し、現在は、再犯防止対策として、社会生活上困難を抱える刑務所出所者等の、帰住先・就労先を見つける支援や、薬物依存、高齢、障害等といった特定の問題を克服するための支援を強化しつつある。一方で、法務省矯正局は従来の被害者との接点を持つことに消極的であった姿勢を転換し、再犯防止に向けて「被害者の視点を取り入れた教育」を始めた。H19年より本格的に更生保護分野の犯罪被害者施策が開始されており、加害者に被害者の方の心情を伝えることができる「心情等伝達制度」や、加害者の保護観察の状況などを知ることができる「加害者に関する情報の通知」等がある。矯正施設においても、矯正施設職員や保護観察所の職員への犯罪被害者についての研修を導入したり、加害者に対しては、被害者感情を理解させるためのオリジナルビデオ教材の導入や、犯罪被害者遺族をゲストスピーカーとして招聘し加害者に被害者のことを考えさせる機会を設けるようになっている。修復的司法といわれる被害者のことを中心に据えながら、被害者と加害者を対話させる取り組みもわずかながらに存在している。 加害者側が事件後の苦悩する被害者の存在を知り、そこに真の悔い改めが伴うとするのであれば、加害者の再犯を防ぐことが出来る。そして、加害者の真の悔いは、被害者やその遺族の溜飲を幾ばくかは下げるものになるだろう。加害者の言動や立ち振る舞いは、裁判の進展等で気持ちも浮き沈みする被害者らのメンタルヘルスに直結しているからだ。そもそも、被害者のトラウマとは、加害者・加害者が犯した行為の記憶が、巨大化し固定化してしまうところにこそ問題がある。加害者が自分にとって驚異ではないと思える瞬間こそが、被害者のメンタルヘルスを上向きにする大事な転帰となるのである。そのような意味で、被害者理解の視点をもった矯正教育は更に推し進める必要があるだろう。 1.はじめに/犯罪被害者が陥る心身等の状況 |
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