立命館大学教授 中村正
男らしさの暴力をのりこえる
このDV加害への対応の幅は広いと考えられます。
触法性の高い行為への刑事罰的対応から、「大人の非行」とでも形容できる教示的な対応レベルまでの幅があるのです。
体系化すれば、相談、指導、教育、指示・教示、介入・処置、矯正、更正として整理することができます。
家庭内でしか暴力を振るわない者もいれば、家庭内外で粗暴な者もいます。
後者のようなタイプの加害者は狭い意味でのDV加害者向けのプログラムには不向きです。
脱暴力・非暴力への行動変容の手がかりは、こうしたDV加害の行動的、コミュニケーション的特質を把握し、対人暴力を止めさせる援助です。
彼らの心理的問題はそれからの対応となります。
男らしく構成され、意味づけされた加害行為を是正するには、行動的、認知的、技術的(怒りマネジメント的アプローチ)、そして相互作用的、心理的という具合に連続する更正援助のための体系化が必要です。
先に紹介した加害男性同士のグループワークはなかでも大切な契機となります。
それはグループワークが異なる男性性の気づきを促すからです。
あるいはグループワークが既存の男性性とは異なることを体験し、認識する格好の場所となるからです。
男性がこの社会で生きていく過程で身につけている価値観や行動パターンのなかには、暴力を肯定する側面があります。
そして、感情面では、ストレスや困難に直面したとき、きちんとそれを表現することにも慣れていないことが多く、喜怒哀楽を表に出すことをよしとせず、行動化してしまうこともあります。
女性を低く見る価値観を内面化している男性もまだまだ多くいます。
DVの背後にあるこしたジェンダーの意識も見直しが求められています。
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