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こころの健康シリーズX 成人の発達障害とメンタルヘルス

No 5 成人発達障害支援学会の歩みと展望
ー新時代の学会ー

昭和医科大学発達障害医療研究所 所長 太田晴久


1. はじめに

日本における発達障害支援は、長らく児童期を中心に発展してきた。理解の枠組みは主に児童精神医学に依拠し、その対象は知的障害を伴う自閉症が中心であった。DSM-IVにおいてアスペルガー症候群が位置づけられていたものの、成人期の臨床像は一般精神医学の中で十分に認識されておらず、この状況は国際的にも共通していたと考えられる。

その結果、多くの知的障害を伴わない当事者は学校から社会への移行過程で困難に直面していた。就労の失敗や対人関係の問題、抑うつや不安といった精神症状、さらには社会的孤立・ひきこもりなどが顕在化する一方で、その背景が理解されないままに過ごす例も少なくなかった。

こうした中、2007年より昭和大学附属烏山病院(※昭和大学は2025年4月1日に昭和医科大学へ校名を変更)において成人期発達障害診療が開始された。院長であった加藤進昌先生(現在の学会理事長)のもと、多くの当事者が受診し、発達障害という視点から自身の困難を理解しようとする動きが広がった。しかし当時は成人期の診療経験を持つ精神科医は少なく、実践的指針も乏しい状況であった。

このような背景のなかで、支援への社会的要請は急速に高まっていたが、医療・心理・地域支援の体制は十分に追いついていなかった。診断の妥当性や支援技法の未確立が課題とされる中、烏山病院で開発されたデイケア・ショートケアプログラムは、支援者と当事者の試行錯誤のなかから生まれた実践として注目され、効果検証を経て成人期支援の先駆的モデルとして全国へ広がった。

昭和大学での研究会を基盤とした成人発達障害支援研究会は、こうした実践およびエビデンスの蓄積を背景に発展し、ショートケアプログラムの診療報酬加算を契機として学会へと組織化された。活動は東京から全国へと広がり、支援の普及が進んだ。 本稿では、この歩みを研究会から学会への展開に沿って振り返り、現在の到達点と今後の支援の方向性を概観する。

 

2. 成人発達障害支援研究会・学会 年次大会の歴史

1. はじめに
2. 成人発達障害支援研究会・学会 年次大会の歴史
3. おわりに

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