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No.6 地方公務員のメンタルヘルス

梅垣医院梅垣和彦
イラスト 土佐佳苗


地方公務員のメンタルヘルス対策状況

自治体の団体によって対策の進展状況がことなり、一律に示し難い傾向にありますが、都道府県などのように大きな団体ほど整備されている傾向にあり、市町村などのように小規模の団体は必要性を認めながらも、対策はこれからすすめられることが期待されている傾向がみられます。

1)地方公共団体にとって重要なメンタルヘルス対策
調査結果では、現在、重要な健康管理対策として、メンタルヘルス対策を挙げている団体は56.9%と多く、都道府県と政令指定都市では100%となっています。またその必要性に関しては、「大いに必要である」と「ある程度は必要である」を合わせると、都道府県と政令指定都市、特別区では100%、また市では99.2%、町村では93.3%となっています。

2)メンタルヘルス対策の実施状況
多くの団体でメンタルヘルス対策に取り組むには、まず健康管理計画を策定するとか、必要な事業場内産業保健スッタッフを確保するとかのメンタルヘルス体制を整備したうえで、具体的に方策をすすめることになります。その場合に主な方向として、(1)一般職員を対象としたメンタルヘルス教育・研修会を実施すること。(2)ラインの管理監督者などを対象とした研修を行うことによりメンタルヘルス問題の解決につなげること。(3)専門職などによるメンタルヘルス相談窓口を設置すること。これらの方策をどの団体もとりあげる傾向にあります。
次にメンタルヘルス対策の実施状況をあらわす指標として、職員研修の実施状況と、相談窓口の設置運営状況について述べてみます。

3)職員研修の実施状況
16年秋の調査では、職員研修の実施状況は、「一般職員(全職員)」を対象とした研修は、都道府県では91.5%、指定都市で100%、市では64.6%、特別区では75%、町村では28%で実施されています。また、「管理監督者(係長級以上)」に対しては、都道府県では97.9%、指定都市では100%、市では59.9%、特別区95%、町村では20.7%で実施されています。

4)相談窓口での職員・専門職の配置状況
自治体での相談窓口への職員・専門家の配置は「職域担当保健師、看護師」が最も多く28.9%、次に「産業医」27.8%、「人事労務担当者」22.7%、「精神科等の専門医」18%、「心理専門職(臨床心理士等)」17.4%です。
団体の規模でみると、都道府県は、「職域担当保健師、看護師」、「精神科医等の専門医」がともに89.4%、次いで「心理専門職(臨床心理士等)」が61.7%、「産業医」57.4%の順となっています。指定都市では、「精神科医等の専門医」が71.4%で最も多く、「職域担当保健師、看護師」が64.3%、「産業医」が50%となっています。一方、市および町村では、これら全ての職員・専門家の配置状況で40%に達していません。
地方公共団体にとってメンタルヘルス対策は重要であると認識されていても、実施状況では団体規模による格差が大きいといえます。

地方公共団体におけるメンタルヘルス対策

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