東京都児童相談センター治療指導課長 犬塚峰子 子ども虐待とは ではどのようなものを虐待と呼ぶのでしょうか。「児童虐待の防止等に関する法律」の第2条で児童虐待の定義がされ、次の4つに分類されました。保護者(親または親に代わる養育者)によって加えられた次のような行為です。 このように虐待は身体的暴力だけでなく、心理的な外傷を与える言動から養育の不足まで含む広い概念です。適切な子育てから虐待的な子育てまでは連続体を成しています。どこで線を引くかは、その子育てが子どもの成長にとってどの程度有害かなどを中心に判断することになります。子育てに完璧は存在せず多少の失敗があるのが普通なので、線があまりにも左寄りに引かれますと、子育てに高い要求をかすことになり、子育て不安を煽り、親を追い詰めて虐待行為を誘発することになってしまいます。子育てをする家族を暖かく支える文化と社会システムの構築は、国レベルの家族支援です。 虐待の社会問題化-子どもの人権という観点から |
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