東京都児童相談センター治療指導課長 犬塚峰子 おわりに虐待は、心のよりどころが得られず孤立している家族に、複数のストレスが加わって引き起こされます。 親の支援・治療は、安心できる居場所づくり、信頼しあえる関係づくりからはじまります。 そこで支えられて力を得た親は、家族ストレスを軽減し、自らの問題に気づき、子どもと新しく出会いなおして心の絆の再形成を目指します。 このプロセスは、多職種、多機関のネットで支えることによってはじめて進んでいきます。 早期の支援という予防的視点と、家族の潜在力を引き出す支援という肯定的視点が重要です。 この支援の土俵に乗せるために、児童相談所の強制力が必要なこともあります。 子ども虐待の家族支援は始まったばかりです。 たくさんの支援の手と、有効な支援方法の開発が求められています。 虐待の社会問題化-子どもの人権という観点から |
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