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こころの健康シリーズ\ 現代の災害とメンタルヘルス

No.9 災害派遣精神医療チーム(DPAT:Disaster Psychiatric Assistance Team)について

三重県こころの健康センター 楠本みちる


2.PFAの概要と活動原則

 災害時の精神保健医療福祉活動については、多くの支援機関が関与する。自治体のみならず災害時の精神保健医療福祉活動の近年のおおよその全体像を把握する際には、厚生労働科学研究費補助金(障害者政策総合研究事業)災害派遣精神医療チーム(DPAT)と地域精神保健システムの連携手法に関する研究 研究代表者:太刀川弘和「自治体の災害時精神保健医療福祉活動マニュアル」2)がわかりやすい。

 日本でいう「災害時こころのケア」は国際的には、精神保健・心理社会的支援(MHPSS: Mental Health and Psychosocial Services)という表現を使用する。機関間常設委員会(IASC:Inter-Agency Standing Committee)が作成した「災害・紛争等緊急時における精神保健・心理社会的支援に関するIASCガイドライン」(2007年)3)があるが、この中でMHPSSの介入ピラミッド図を示して、4つの段階が存在することを説明している。

レベル1 基本的なサービスおよび安全
レベル2 コミュニティおよび家庭の支援
レベル3 特化した非専門的サービス
レベル4 専門的サービス

である。生きていくために不可欠な支援が最優先であり、必要に応じてより専門的な支援を提供していくという原則が示されている。この中では、DPATはレベル4 専門的サービスに属することになっている。「自治体の災害時精神保健医療福祉活動マニュアル」では、MHPSSのピラミッドに対応する日本の支援組織をともに示している。

つなぎマップとMHPSSの各支援レベルにおける支援団体・組織の例
つなぎマップとMHPSSの各支援レベルにおける支援団体・組織の例
(「自治体の災害時精神保健医療福祉活動マニュアル」2)より引用)

 

3.三重県DPAT研修の現状/4.DPATの課題と今後の役割について

はじめに/1.DPATの現状
2.災害時の精神保健医療福祉活動について
3.三重県DPAT研修の現状/4.DPATの課題と今後の役割について
おわりに

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