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No.12 高齢者の生きがい

聖路加国際病院理事長  日野原 重明


4.体温の調節

 私たちの体は一定の体温が保たれているのですが、大人では36.5℃、子どもでは37℃の線以上に体温が上がるのを発熱状態というのです。

 ところが、人間が外界の微生物などの感染を受けると、発熱状態となるのですが、体温が高くなると、間脳の中の発熱中枢は敏感に働いて発熱状態となります。これに対して間脳の中の発汗中枢が働くと発汗し、これによって体温が下がるのです。

 一方、体温が下がるようなことが起こると、そのからだは身震いを反射的に起こして、熱を発生させるというメカニズムも起きます。このように筋肉が収縮すると熱を発生し、体温の低下を戻すような生体の働きが起こるのです。
 人間の体温の調節のメカニズムは以上のようにうまくなされています。

 以上は健康維持のための人体の反射的、または自動的防禦作用といってよいものです。以上数々の例を述べましたが、このような防禦機構により私達のからだはうまく調節され、健康が維持されているのです。


 

5.健康の新しい定義

1.老人の心の健康
2.漢字の「健康」の意義
3.血液中の酸・塩基平均とは
4.体温の調節
5.健康の新しい定義
6.症例
7.むすび

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