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No.3 老年期の抑うつと不安について

国立精神・神経センター国府台病院院長 樋口輝彦

8.不安に使う薬の話

 不安を和らげる薬を「抗不安薬」と言います。その大半はベンゾジアゼピン系という種類です。確かにゼンゾジアゼピン系の抗不安薬は抗不安作用が強いのですが、同時に他の作用があります。その中でお年寄りに好ましくないのが「筋弛緩作用」です。このためにふらつき、転倒が生じます。ベンゾジアゼピン系は睡眠薬としても使用されます。就寝時に服用して入眠され、夜中にトイレに起きようとして転倒し、骨折するケースが少なからずあります。したがって、老年期の不安の方に抗不安薬を用いる場合にはできるだけ「筋弛緩作用」の少ない薬を選ぶことが重要です。最近ではベンゾジアゼピン系以外の抗不安薬を開発されつつあります。よく主治医と相談して薬を選んでもらうことをおすすめします。

1.誰でも「うつ」になることはある
2.「うつ」と「うつ病」は違う
3.「うつ病」の場合には早期治療が大切
4.老年期の「うつ病」は若い人の「うつ病」とどこが違うのか?
5.老年期のうつ病の症状の特徴
6.うつ病にならないために
7.老年期の不安への対処
8.不安に使う薬の話

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