(社)日本精神保健福祉連盟 常務理事大西 守 カウンセリングの限界を意識するメンタルな問題への対処方法として、カウンセリングが汎用されています。カウンセリングは重要な対応スキルであることは間違いありませんが、その限界をわきまえておく必要があります。原則として、疾病レベルに達している事例にはカウンセリング単独のみの対応は不十分で、精神科薬物療法が不可欠と考えられるからです。しかしながら、職場の現状として疾病レベルに達している事例までカウンセリングで対応し、事態を長期化させていることがあります。つまり、職場関係者が熱心さのあまり疾病レベルの事例まで抱え込み、結果的に精神科受診を遅らせてしまう危険性が指摘できます。 したがって、職場での対応を総括する立場にある産業医などは、対象事例がカウンセリングでよいのか、精神医学的対応(精神科薬物療法)が必要なのかを判断する、交通整理的な役目を担う必要があるでしょう。 職場でのメンタルヘルス活動の現状は |
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